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プロニートの履歴書

色んなできごとに翻弄され、プロのニートになるまでの物語

2. 大学生のアルバイト

私は短大学生になった。

実家から離れて寮暮らしをすることになった。今時めずらしいぐらい昭和な寮で、門限が夜9時、外泊は月に3回まで。と、それを本当にみんな守っていたのだから、また信じられない。

大学生というのは遊びとアルバイトが本分だ!と信じていた私には衝撃的な寮だった。

寮で2人部屋の相方になったトモは、おしゃれが好きな女の子で「おしゃれなところでバイトしたい!」と言って、ある日、寮近くにある美容室に話をつけてアルバイトを決めてきたのだった。

 

私たちの学校はデザインの学校で、しかも短大だったので朝から夕方までみっちり授業が詰まっていて、放課後は授業で出された課題をもくもくとこなさないと翌日学校に行けない、という私が思い描いていた学生生活とはおおよそ掛け離れた生活だった。

 

そんな中、トモがバイトを決めてきたのだから、どうするんだろう?と思っていたら、「週末だけバイトすることになったんだけど、土日のどちらかだけハルもバイトしない?そしたら、交代で1日ずつ休めるし」と言うのだった。

それを聞いて私も、それ悪くないなぁ…と、トモと一緒に週に1日だけ美容室でバイトすることにしたのだった。ほとんど棚ぼたである。

 

そして、美容室のアルバイトというのは、それはそれは簡単な仕事で、私たちは美容師ではないのでできることがかなり少ない。主に受付だけをやっていればいいのであった。忙しくなってきてもシャンプーもできない。今考えると、よくそんな人たちを雇ったもんだと思うのだけど、週末はそれだけでも助かるほど忙しかったのだろう。

 

ご夫婦と従業員2人とバイト2名のその美容室は、学生街では忙しい方の美容室で、私たち以外はご飯を食べる時間もなさそうだった。美容師さんというのは、本当に食事のスピードが速い。これはもう驚きに値するほど速かった。

 

本格的に忙しい週末になると、私たちは2人とも駆り出され、そうなってくると受付だけではなく、パーマのヘルプやタオル替え、ドライヤーなども任されることになるのだけど、うっすらではなく、はっきりとお客さんから手際の悪さにクレームがついた。

私たちも本当にわけもわかららず、大わらわだったのだ。

 

 

そんなこんなで週1で1年間バイトを続け、冬に入るとスキーのインストラクター資格を持っていたトモが「スキーに行こうよ!」と、2人で仲良くバイトを休み、そのまま2人とも美容室に足を運ぶことはなかった。赤信号もみんなで渡れば怖くないように、2人でぶっちぎったのだった。

 

 

私は今、大人になって思います。

将来その職業になりたいと思っていない学生を、専門職的な場所で雇ってはならない、と。