プロニートの履歴書

色んなできごとに翻弄され、プロのニートになるまでの物語

25. プロニート、トレーダーにならないの巻

さて、晴れてニート(無職)になった私ですが、最初は普通のニートでした。

区役所やハローワークに行くと、「な、なんて効率の悪い仕事なんだ…。公務員は血税をムダに使っとる!」と、言いたくもなるものの、よくよく考えれば、失業者はハローワークに行くだけでお金が貰えるわけで、人様の仕事に文句を言える立場ではなさそうで。むしろ、ほんとありがとね、みたいな気持ちになりました。

たまに外に出れば、「今日もみんな私のために働いてくれて、ありがとう!!」とか、「スーパーのお姉さん!声かけてくれてありがとう!」と、やたらハイテンションに街を歩いたり、ネットで話題のニュースを読んだり(ところで、私は2chは見ない。見方がわからない)、片っ端から映画を観たり、漫画を読んだり、普通に働く人の休日となんら変わりない生活です。ただ、ほんのちょっと健康的な食生活をすることになりますが、それは往々にしてヒマだからです。ニートライフがあまりにも楽しかったので、道往く人にもニートになることを勧めたい!と思うほどでした。

合間合間にフリーの仕事を見つけては、ちょこちょこ仕事もしていたのですが、これではただのフリーのフリーターではないか?と、ここはひとつニートならニートらしくトレーディングだ!と、思いたちました。その時の私はまだ『ニート=トレーディングをやってる人』ぐらいのイメージしか持っていなかったのです。

 

ものすごく一応、私にも海外に住んでいた経験があったので、通貨がどう動くのかは知っていました。外国に住んでいると円がいくらなのかは死活問題なのでほとんど毎日チェックします。それに、投資家の方からRPGゲームが得意な人はトレーディングに向いている、と聞いたことがあったので、多分できるなーと思ったんですね。浅はかにも。
そう、私はゲームが得意な方でした。世代的なものもあると思いますが、どちらかと言えばかなり得意な方でした。どんなゲームでも200%クリアを目指し、育成系ゲームなどはエクセルで綿密に経験値や時間を計算して機械的に実行し、いち早く誰よりも上を目指す、そういうタイプのゲーマーでした。

 

そんなわけで、まぁ…よくはわからないけど、とりあえずやってみると、FXシミュレーション(実際の相場と同じ動きの中で架空のお金を動かすデモ機能)で、あっさり100万ぐらい勝ちました。一度も負けることなく…。
これは後になればどうしてそんなことが起こったのか簡単に説明がつくのですが、その時の私はただ気をよくして「いける!」と、無駄な自信をつけることになってしまったのです。

それから3週間ぐらい不眠不休でチャートを見続けました。私は一旦のめり込むと他のことは一切排除できる体質なので、目の前が数字のみの世界になりました。

そんな生活を送っていたある日、暗闇の中から突然『84』という巨大な文字がズシん!と降ってきました。びっくりして目を覚ますと、どうやら私はソファでうたた寝していたらしく、夢の中で数字を見ていたのです。体にも衝撃を感じて飛び起きたので落ち着かずにいると、その日の夜、何年か振りにドルが84円を越えていきました。後で知りましたが、当時(2012年12月です)、84円を越えるのは難しく、そうそう簡単には越えない線だったみたいです。

 

というよりも、私は知らぬ間にアベノミクスが始まったと同時にFXに手を出していたらしいのです。まったく政治に興味がなかったので、いつの間にか首相が変わっていたことも知らず、円が安くなっていくスピードが速いなどとも思いませんでした。というよりも、毎日見ていると明らかに不自然な動きで、これがアベノミクスの正体か…とも思っていました。早い話が市場介入ですね。やりすぎと思います。

しかし、まじで信じられない。自国の通貨価値を落としていくなんて。どこの国の政治家も狂っているのは同じだろうけど、狂気の沙汰だ。FXや株をやっている人はそれに気がついてて付き合っているのだろうから、ほんとどうかしてる。
せこい、まじでせこい。景気対策っていうか、金利差マジックなだけじゃないか。。Fuck! GDP‼︎

 

とかね、思いながらも毎日データをエクセルに入力して、相場の動きをグラフ化などしたり、ありとあらゆる方向から計算式を求めて必勝法など導き出そうとしていたのですが(←初心者が陥りがちなこと)、数値をグラフ化するうちに不思議な図形を目にすることになりました。それはもう恐ろしい形のグラフ図でした。つまり、数字はどうやっても増え続けます。もうね、ユダヤの教えを請うたみたいな気分になりましたが、それはいつか経済は破綻するという意味でもありました。計算上そうはじき出されてしまうのだから。
それを見て、やったね!と思うか、まじか…と思うかは人それぞれです。

 

さて、トレーダーの世界の最終目標は自由になることです。「自由って何だろう?」と思うかもしれませんが、まさに自由になれる世界だと思います。そういう意味ではそれを生業にしている人をリスペクトしますが、果たして、私が自由になりたかったのはこの世界だったんだろうか?と、素朴な疑問がうまれ、私はFXをやめることにしました。君らに付き合ってらんないよ、というのが本音ですが、今では政治・経済ニュースに目を通していても別世界だなーと思います。

そもそも、自分が住んでいる世界と数字の上がり下がりに一喜一憂する人の世界が同じなわけないのだ。

 

せっかく自由の身になったのだから、もっと自由に時間を使いたいと思ったのでした。

世界で最も貧乏な大統領のようにね。

 

ムヒカ大統領の衝撃的なスピーチ【世界で最も貧乏な大統領】2012@リオ会議